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私の生活の質を上げる為の決断 ~ストーマ手術を受けて~
リハビリ
お久しぶりです。
6月末から7月上旬にかけて、私の生活において大きなアップデートが二つありました。どちらも、私の生活の質(QOL)を高めるために決断した、大切な変化です。まずはその一つ目からご報告します。写真を添付しましたが、何か気づいた方はいらっしゃるでしょうか?
見た目は変わらず、でも大きな変化──ストーマ手術の決断
実はこのたび、私の身体に**ストーマ(人工肛門)**を付けました。
6月24日に入院し、26日に手術を受けました。術後は1日だけICUに入りましたが、翌日には一般病棟に移り、順調に回復。ストーマの取り扱いや生活の工夫などを学びながら療養生活を送り、7月11日に無事退院することができました。当初は1ヶ月程度の入院が必要とされていましたが、2週間以上早く退院できたのは、大きな自信にもつながりました。
写真では見た目に変化はほとんどありませんし、元気な様子も伝わっているかと思います。ですが、私にとっては、これまでの生活の在り方を大きく変える、大きな選択でした。
https://www.youtube.com/watch?v=tTcDal65OnI
2年かけて考えた決断と、その背景
この手術を受けるまでには、約2年もの間、迷いと葛藤がありました。
頸髄損傷の当事者にとって、排泄に関する課題は非常に大きなテーマです。ほとんどの方が、日々排泄のことで多くの工夫や苦労をされています。例えば、当事者の会が開かれると、必ず誰かがこの話題を取り上げ、活発で時に熱を帯びた意見交換が始まります。それだけ皆の関心が高く、切実な問題でもあるのです。
以前の排泄方法とその負担
手術前、私が採っていたのは「腹部圧迫法」という方法です。
これは、事前に便が固まりにくくなる薬を服用し、水分をたっぷり摂り、食物繊維やヨーグルトなどを意識して食べるという、かなり神経質な体調管理をした上で、お腹を何度も強く押しながら排便を促す方法です。毎回15~20分程度、長い時には30分以上もかかるうえ、強く押すことで血圧の急変が起こり、私は何度も意識を失いかけました。ここ1年ほどは毎回そのような状態で、介助する人も非常に疲弊してしまいます。
このままでは、他の病気や合併症につながる恐れがある――
そう強く感じるようになった私は、全国頸髄損傷者連絡会の仲間たちに相談し、ストーマ使用者の実体験を聞かせてもらいました。経験者の声や姿は何よりも心強く、最終的な決断を後押ししてくれました。
QOL向上のための一歩として
ストーマを付けた今、正直に言えば、まだ見た目や感覚に対して完全には慣れていません。ですが、ほとんど毎晩夜に約2時間をかけてトイレに座り、血圧の上がり下がりに耐えながら生活して行くことは、身体的にも時間的にも負担が大きいものでした。だから、今は少しだけ、手術をして良かったなあと思っています。夜にできた2時間を、有意義なものにして行く…自分のQOL(生活の質)を優先することが、これからの仕事や人生にとって必要不可欠だと実感しています。心と身体、そして時間にも余裕ができ、日々の生活の中で前向きな選択がしやすくなりました。
2つ目の変化──床の色を変えました
もう一つのアップデートは、床の色の変更です。
これまでは赤茶系の床でしたが、今回ダークな木目調の茶色に変えました。
一見小さな変化に思えるかもしれませんが、在宅で過ごす時間が多く、仕事中は集中力と冷静な判断が求められる私にとっては、非常に重要な「空間づくり」の一部です。
床の色がもたらす心理的効果
床の色は空間の印象だけでなく、私たちの心理状態にも大きな影響を与えます。
例えば**暗い色の床(ダークブラウンや黒など)**は、落ち着きや高級感、安心感を与える効果があります。自宅の書斎やホテルのラウンジに使われることが多く、集中したい場面に最適です。ただし、狭い空間では重たく感じることもあるので、照明や家具とのバランスが大切です。
一方、**明るい色の床(白や明るい木目など)**は、開放感や清潔感を演出し、広く明るい印象を与えます。保育園や子ども部屋、また病院の待合室などでは、心理的に安心感を与える目的でよく使用されます。
これからの住環境づくりに向けて
今後も在宅での仕事が中心となる生活スタイルにおいて、落ち着いて考える時間や空間はとても重要です。床の色を変えたことで、仕事への集中力も高まり、心の余裕も生まれてきました。いずれは壁紙や天井も自分好みに整えたいと思っています。
変化は未来への投資
今回の二つのアップデートは、見た目以上に内面的な安心感と行動のしやすさをもたらしてくれました。身体のこと、空間のこと、どちらも「自分らしく生きる」ための選択です。これからも、変化を恐れず、よりよい生活を目指して進んでいきたいと思っています。

